マンション防災は「2つの組織」で動いている | 管理組合と町会の役割を整理する

防災に関わると、少し不思議なことに気づく

マンションの防災に関わり始めると、最初に少し戸惑うことがあります。
それは、

誰が主体なのかが分かりにくい

ということです。

防災訓練の話になると、

・理事会/管理組合
・管理会社
・町会
・防火管理者
・防災担当

など、いろいろな名前が出てきます。

同じ訓練の話をしているはずなのに、
それぞれの立場や役割が微妙に違う。

私自身も、町会の防災担当として関わる中で「これはどういう構造なのだろう」と思う場面がありました。

少し整理してみると、
マンション防災には大きく分けて

2つの組織

が関わっていることが分かります。

それが

管理組合町会 です。

管理組合が担う「建物としての防災」

管理組合は、マンションの区分所有者で構成される組織です。
法的には 「区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)」 に基づいて設置される団体で、
建物や共用部分の管理を行います。

防災という観点では、例えば次のようなことを担っています。

・消防計画の作成
・防火管理者の選任
・避難訓練の実施
・消防設備の維持管理

これらは主に 消防法第8条 に基づく制度です。
一定規模以上の建物では、防火管理者を選任し、消防計画を作成し、避難訓練などを実施することが求められています。

つまり管理組合は、

「建物としての安全管理」 を担う組織と言えます。

エレベーターや消防設備と同じように、
マンションという建物を安全に維持するための仕組みの中に
防災が位置付けられている、というイメージです。

町会が担う「住民の助け合い」

一方で、町会や自治会は
地域の住民によるコミュニティ組織です。

町会や自治会は、法律で設置が義務付けられている組織ではありません。
多くの場合、地域住民による助け合いの仕組みとして活動しています。

防災では、次のような活動を行うことが多くなります。

・安否確認
・高齢者など要配慮者への支援
・炊き出し
・地域の避難所や協議会などとの連携

つまり町会は、

「住民同士の助け合い」「地域コミュニティーとの連携」

を担う組織です。

災害時に重要になる

声掛け、安否確認、支援

といった部分は、むしろこちらの役割が中心になります。

マンション防災が分かりにくい理由

マンション防災が少し分かりにくいのは、

建物の管理
→ 管理組合

地域コミュニティ
→ 町会

という 別の仕組みが重なっているからだと思います。

例えば避難訓練であれば、

管理組合 → 消防計画に基づく避難訓練

町会 → 安否確認や住民への声掛け

といった形です。

同じ訓練でも、

建物の安全管理
住民の助け合い

という少し違う役割が同時に動いていることになります。

そしてマンションによっては、
自主防災組織というものを管理組合と町会の合同組織として立ち上げていることが多いと思います。

管理組合と町会等実態組織と、バーチャルな組織である自主防災組織、
この構造を知っているだけで、「誰が何を決めているのか」 がかなり整理しやすくなります。

最初は分かりにくくて当然

私自身も、町会の防災担当として関わる中で

管理組合
町会
自主防災組織

の関係がよく分かりませんでした。

ただ整理してみると、

建物の防災
→ 管理組合

住民の助け合い
→ 町会

という形で考えると、
マンション防災の構造が少し見えてきます。

マンション防災は
「建物の防災」と「地域の助け合い」
という2つの仕組みが重なって動いています。

その接点にあるのが、自主防災組織だと思います。


次の記事

マンション防災の中でも、
もう一つ少し分かりにくい存在があります。

それが

「防火管理者」

です。

消防計画や避難訓練と深く関係している、
マンション防災の重要な役割です。

次回は、この
防火管理者の役割について整理してみたいと思います。

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